AIビジネステクノロジーが万引き対策と業務負担の軽減に挑む

AIビジネステクノロジーが万引き対策と業務負担の軽減に挑む

流行の移り変わりが激しいIT業界では、新技術が初期の期待に応えられず、「決定的なユースケース」を見つけられないことが多い。

しかし、ブロックチェーンやメタバースのように失速する技術がある一方で、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、ワークフロー自動化といった技術は主流となり、企業のIT予算の一部を確保するまでに成長している。

これらの3つのビジネステクノロジーは、今年の**「FT 1000(欧州の急成長企業ランキング)」**において、ITおよびソフトウェアサービス企業が全体の20%を占めるなど、企業の成長を支える主要分野となっている。

AIを活用した万引き・詐欺対策市場の成

小売業界では近年、暴力を伴う万引き事件の増加が深刻な問題となっている。この問題に対処するため、AIを活用した監視技術を提供するスタートアップ企業が急成長している。

フランス・パリに本社を置くスタートアップ「Veesion」は、AIを活用した監視ソフトウェアを開発し、万引き対策に貢献している。このソフトウェアは、防犯カメラ(CCTV)の映像を解析し、機械学習アルゴリズムと生体認証技術を組み合わせることで、怪しい動きを検知する。たとえば、顧客がコートの中に商品を隠す動作や、商品を開封する行為をAIが検出する。

Veesionは2018年に3人の元データサイエンス学生によって設立され、現在では25か国以上、4,000以上の店舗で導入されている。同社によると、この技術により万引き被害を最大60%削減できるという。

「私たちのシステムは常に学習し、精度を向上させています。」と、Veesionの英国・米国市場担当シニアアカウントエグゼクティブであるハムザ・サリーム氏は語る。「私たちは膨大な行動データを活用し、万引き犯の平均的な行動パターンや、AIが識別できるさまざまな動きを特定しています。」

Veesionは**「FT1000」ランキングで52位にランクイン。同社によると、従来の顔認識技術よりも優れた万引き検出能力を持つという。顔認識技術は過去に記録された万引き犯を認識することしかできないが、Veesionの技術は動きから不審行動を特定するため、新たな万引き犯にも対応可能**だという。

小売業界のAI監視技術への需要は今後も拡

万引きの急増が収まる気配を見せない中、小売業向け監視ソフトウェアの需要は引き続き高まると予想される。

Veesionの売上は2020年の約20万ユーロから、2023年には約600万ユーロに急成長した。

また、同社は従業員による窃盗検出にも技術を応用する計画を進めている。

「多くの顧客から、従業員による万引きを検知する技術についての問い合わせが増えています。」とサリーム氏は述べる。「たとえば、レジの裏で従業員が現金をポケットに入れるといった行為を検出する技術が求められています。」

Veesionは今後もAIを活用し、小売業界における盗難対策の最前線で革新を続けていく。

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